よく「お客様のお声を聞くことが大切」といいますが、
商品開発の時には、そのお客様のお声をそのまま鵜呑みにしてはいけません。
また、その通りに商品を企画すれば、売り上げは時の流れととも少しづつ減少していきます。
なぜなら、商品に対するアンケートを返してくれるお客様は、その商品のコアなファンだからです。
例えば、ゲームソフトならそういうお客様に要望を聞けば、もっと複雑で難しくして欲しいと答えるでしょう。
そのゲームの世界観を熟知しているからこそ、操作性を一から覚える必要もないからです。
しかし、そういった要望に応え続けていけば、続編が出るたびに高難易度やマニアックになってしまいまいます。
コアなファンなら当然そのゲームをやりこんでいるので問題はないのでしょうが、
初めてプレイする人からしたら難しすぎて敷居が高くなってしまいます。
だから買った後の評価レビューも微妙になりますし、それを参考にした新規のライトユーザーは買うのを躊躇します。
大きな声のみを相手にしていては、いずれマニア以外が買わない内容になってしまうのです。
ユーザーの市場調査というものは、商品開発においてとても有用ですが、
あえてアップルのように市場調査を一切しないという方法もあります。
例えば、iPhone6の場合がそうでした。
私も購入を検討したので、インターネットでの反響を調べたのですが、
「iPhone6は、画面のサイズが大きくなるので嫌だ!」
という声が圧倒的に多かったのです。
しかし、発売前のネットでは非難轟々だったiPhone6ですが、
今までのシリーズの中で最高の売り上げを記録しています。
つまり、ネットで大きな声で発言していた人たちは、購入しなかったのかもしれませんが、発言はしなくとも購入した人は非常に多くいたのです。
このように既存のお客様の要望を聞くことは非常に大切ですが、
売り上げを伸ばすためには、今まで一度も買ってもらっていない新規の顧客を獲得しなければなりません。
情報を集める時は、限られたソースだけではなく、
例えば、奥様やお子さんなどの身近にいるけど、
製品に精通していない人などに幅広くリサーチすることも大切だと思います。
思わぬ「使い方提案」が発見できるかもしれません。